KBS京都で放送中の『谷口流々』。
谷口キヨコが、京都を中心に活躍する人々の仕事現場に足を運び、十人十色の人生哲学を紐解いていきます。
2024年6月22日(土)の放送では、額縁専門店・中川敏行さんに話を伺いました。
Profile:額縁専門店・中川敏行さん
![中川さんのプロフィール](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/07/aba1dd9afd994bc383f5259806be7bb4-5-650x362.jpg)
今回ご紹介する中川さんは、三代目の兄とともに老舗額縁店『中川ガクブチ』を40年以上営んでいます。
![中川ガクブチに並ぶ額縁](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/07/6ac2397867767a902ce2217f0a58282f-5-650x357.jpg)
店内には数多くの額縁がずらり。厚みのある油絵を持参して、その絵にあう額縁を選んで購入するお客さんが多いようです。
![額縁の比較](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/07/f6f77a1616e27fc34eb1a81aa7dc6262-5-650x359.jpg)
お店の奥には油絵も用意されており、額縁によって変わる印象を比較して選ぶことができます。
絵だけでももちろん美しいですが、額縁に入れることでより作品の良さが引き立つため、「やっぱり絵には額縁が必要だ。」と中川さんは語ります。
日本での洋額の普及
![中川さんと谷口キヨコさんの対話](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/07/ed80de20dfec1bd144442f3c2532b6bb-5-650x362.jpg)
『中川ガクブチ』は、大正時代から100年以上続く老舗。
日本で洋額が普及し始めた明治時代に、曾祖父が神戸で額縁製造業に携わったことが『中川ガクブチ』の始まりだといわれています。
![中川さんと谷口キヨコさんの対話](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/07/4d2898cc519c4468d541cbcfe0072ef6-5-650x363.jpg)
二代目の祖父は、職人として独立し、京都へ進出。高度経済成長期に差し掛かる頃で、どの家にも絵を飾ろうとする人が増えたことから、お店はどんどん発展していきました。
好奇心の赴くままに
![中川さんと谷口キヨコさんの対話](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/07/b54091b9ea851f9c8810b52e50cbc14b-3-650x362.jpg)
子どものころから、「当然お店を継ぐものだ」と思っていた中川さん。モノづくりが好きだったこともあり、お店に関わることへの抵抗はあまり感じなかったそうです。
中学生のとき、麩屋町の営業所で兄と二人で暮らし始めることに。学校に通いながら、時間のあるときは店の手伝いをするようになります。
![大学時代の中川さん](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/07/3c68c2dd13bf243cb21461b7b3c1e119-3-650x367.jpg)
大学に進学したころ、父親が体を崩し仕事を離れることになってしまったことで、工場の手伝いもするように。
![中川さんと谷口キヨコさんの対話](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/07/fdb9a13a19bc00b51756f9a36fb43c78-3-650x360.jpg)
「工場の仕事を継ぐものだ。」と当時は思っていたものの、父親のすすめもあり、大学を卒業後中川さんは別の会社に就職をして経験を積んでいきました。
時代とともに変わる仕事への思い
![中川さんと谷口キヨコさんの対話](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/07/259291dbe5343002de28c9b801804035-3-650x357.jpg)
中川さんが就職したのは、取引先の額縁専門店です。
「将来は製造の道へ行くかもしれないが、営業に触れて厳しく立ち回る経験もしてみたい。」と社長へ直談判したこともあり、2年間のうち1年ずつ製造と営業の経験を積みました。
![中川さんと谷口キヨコさんの対話](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/07/d1a6415d647990fc6dce6a19a3f775d3-3-650x363.jpg)
家業へ戻ってきたころ、会社はある程度在庫を持っていなければならないこともあり、工場を倉庫として使うように。多い時には一万枚ほどの在庫を抱えていた時もあったそう。
バブル期を超えたことで、百貨店での経営も難航を示すように。そのタイミングで母親、叔母、父親が立て続けに亡くなり、事業を縮小せざるを得なくなってしまいました。
![新しい店舗](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/07/f000dc61bd637aab9cfc6190ad5a8ab1-3-650x362.jpg)
営業所を人に貸す話もあがり、抵抗があった中川さんですが、周りの経営を目の当たりにし、前向きな気持ちで現在の店舗に移転を決意。
![今後の目標について話す中川さん](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/07/728b3e2aafbedb3b2006999f06b9d55f-2-650x360.jpg)
お店を訪れたお客さんと好きなことを話して、思う存分サービスができる環境で、何よりも兄と二人の経営で気を使わずにのびのびとできるそう。
「たくさんありすぎて何を買ったらいいのかわからない。」といったお客さんがたくさん来るようになり、額縁を選びながらお客さんの生き様にも触れられて、最後額縁を渡した時に笑顔になってくれることに喜びを感じているそうです。
中川さんを表すことば
![中川さんを表すことば](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/07/00d939914c3891af8449e4b91710a6b9-1-650x359.jpg)
今回の“中川さんを表すことば”は、『これから』です。
お客さんとの出会いを大切にしている額縁専門店。これからも色んな人と出会い、いろんなことに触れて今後も長く続いていってほしいですね。
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【店舗情報】
中川ガクブチ
住所:京都府京都市下京区松原高倉西入本燈籠21−3 近藤ビル1階
電話番号:075-353-7615
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文/sumire
【画像・参考】谷口流々(毎週土曜日9:30~10:00) – KBS京都
※この記事は、2024年6月22日(土)放送時点の情報です。最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。